【ついたて将棋】戦法レビューNo.1: 最速居飛車速攻①

 

最速居飛車速攻とは

原点にして頂点。先手の利を最大限に生かした戦法で、誰でも思いつく速攻ですが非常に有力な戦法です。特に言及がなければ先手で採用する形を指すことにします。後手はこの戦法にどう対処するかを第一に考えながら序盤を組み立てなければなりません。

手順

初手から▲26歩△???▲25歩△???▲24歩△???▲23歩成

詳説

初手から最短で飛車先突破を試みる戦法です。6手目で24歩を取られなかった時点で(7手目23歩成が実現した時点で)突破と駒得が確定します。というのも、後手は6手目までで23の地点に2枚以上利かせることができないからです。22飛+32金or銀、22銀+32金、33金+32銀(一応32金+33玉or飛)のいずれも間に合いません。

後手が最速居飛車速攻を防御するには特殊な手段が必要です。具体的には6手目24歩or15角or35角ですが、いずれも弱点があります。これらの手段の簡単な紹介は戦法レビューNo.4に書きたいと思います。

先手としては、速攻してすぐは飛車とと金しか攻め駒が無く、意外と単調な攻めになりがちなところに注意が必要です。

 

長所

自然に防ぐことができない。

歩を成った時点で突破か駒得がほぼ確定。

短所

攻めが単調。

後手だけ盤面のすべてを把握できる。

24歩を取られた場合の手損が痛い。

 

その後の進行

▲23歩成と破られてしまった後手は、駒損覚悟で△23同銀(金)と取るか攻め合いかを選ぶことになります。事前に選んでおくと表現する方が正確かもしれません。

8手目△23XXの場合

後手は32銀(金)などで準備しておき、8手目△同銀(金)としていったん収めます。この駒に紐はついていないので、先手は9手目▲23飛成と取れます。後手はどれくらい2筋をケアするか、先手は龍の処置をどうするか・攻め続けるか穏やかに行くかというところでおおまかな方針が変わってきます。

 

詳しくは戦法レビューNo.2の記事にて解説します。

 

▲23歩成が残った場合

後手は予め飛車先などを伸ばしておき、8手目や10手目、12手目といった比較的早い段階で歩成から反撃する方針が考えられます。歩を早めに手に入れることで相手の飛車先などに叩く筋も生まれ、一方的に攻められる展開を防げます。私がこの方針にする場合△34歩か△14歩を入れておき、角を逃がす経路を確保しています。

すぐ歩成から反撃ではなく、単に2筋を放置して陣形整備という方針も考えられます。

 

先手としてはひとまず突破は確定して一安心ですが、直後の指し方もあらかじめ考えておく必要があります。

 

詳しくは戦法レビューNo.3で紹介していきます。

【ついたて将棋】上達法について

 

ついたて将棋の書籍は(おそらく)ないと思いますので、どうやって上達すればよいのかが難しいと思います。私は大きく分けて以下の方法があると考えています。

序盤の戦法を学習する

いくつかのついたて将棋ブログや高段者の棋譜で有力な戦法を知ることが重要です。序盤から効率的な攻め・受けの形を構築しましょう。

手筋を知る

ついたて将棋特有の手筋・部分的な手順を知ることで戦いを優位に進めることができます。

対局する

実際に相手と対局することで実戦ならではの駆け引きを学べます。また、各プレイヤーの棋風を知る機会にもなります。

棋譜を添削してもらう

他の人の目で棋譜を見ることで、自分だけでは気づけない手を学べます。

ついたて将棋の動画・配信・ブログを見る・他人の棋譜を見る

他の人の対局を見てそのエッセンスを盗み、自分の対局に活かしましょう。

【ついたて将棋】用語集【随時追記】

 

私の把握しているついたて将棋の用語などを列挙していきます。

抜け漏れ・間違いなどありましたら申し訳ありません。

あ行

合い駒(あいごま)

相手読み(あいてよみ)

青レート(あおれーと)

赤レート(あかれーと)

穴角(あなかく)

穴熊(あなぐま)

暗殺(あんさつ)

居玉(いぎょく)

居角(いかく)

一手遅れ速攻(いっておくれそっこう)

一手待ち速攻(いってまちそっこう)

移動合(いどうあい)

居飛車(いびしゃ)

居飛車速攻(いびしゃそっこう)

王手センサー(おうてせんさー)

か行

影打ち(かげうち)

可視将棋(かししょうぎ)

空合(からあい)

黄色レート(きいろれーと)

偽装反則(ぎそうはんそく)

偽装XX飛車

逆矢倉(ぎゃくやぐら)

玉位置(ぎょくいち)

玉影

玉センサー(ぎょくせんさー)

玉底の歩(ぎょくぞこのふ)

ケア

玉位置候補(ぎょくいちこうほ)

51飛

五段(ごだん)

さ行

最速居飛車速攻(さいそくいびしゃそっこう)

最速速攻(さいそくそっこう)

先逃げ(さきにげ)

三段玉(さんだんぎょく)

サーチ打ち(さーちうち)

四間飛車(しけんびしゃ)

準速攻(じゅんそっこう)

真X段(しんXだん)

速攻(そっこう)

存在確認の駒打ち(そんざいかくにんのこまうち)

た行

叩きの歩(たたきのふ)

抽選(ちゅうせん)

中段玉(ちゅうだんぎょく)

徳が高い(とくがたかい)

ドラゴンスピン

な行

不成(ならず)

なんちゃってXX飛車

二択攻撃(にたくこうげき)

二手遅れ速攻(にておくれそっこう)

二手待ち速攻(にてまちそっこう)

入玉(にゅうぎょく)

は行

灰色レート(はいいろれーと)

端角(はしかく)

早逃げ(はやにげ)

反則偽装(はんそくぎそう)

控えの歩(ひかえのふ)

引き角(ひきかく)

飛車グングン(ひしゃぐんぐん)

複垢(ふくあか)

不成(ふなり)→不成(ならず)

ペタペタ

ペタラー

ま行

四間飛車(みぎしけんびしゃ)

緑レート(みどりれーと)

向かい飛車(むかいびしゃ)

や行

四段(よだん/よんだん)

四段玉(よんだんぎょく)

ら行

わ行

【ついたて将棋】対局アプリやツール

 

私はついたて将棋を対面で指す機会はほぼありません。インターネット上で指していますので、その紹介をします。

対局アプリ

将棋クエス

本将棋の10分/5分/2分切れ負けのほかに、ついたて将棋もプレイできます。

ついたて将棋 オンライン

エストシリーズと同一アカウントで、PCブラウザから対局できます。

URL→ついたて将棋オンライン

ツール

ついたて将棋viewer

ついたて将棋の神サイトです。将棋クエストの棋譜を、相手の駒を隠して再生できます。さらに、双方の反則内容を確認できます。

URL→ついたて将棋viewer

【ついたて将棋】ルール

 

ついたて将棋のルール

駒の動かし方等は普通の将棋(本将棋)と同様です。違う点は、相手の駒が見えない状態で将棋を指すことです。

相手の駒が見えないことによる追加ルールがあるので挙げていきます。(将棋クエストでしか指したことが無いので、以下もそれに沿って説明します。)

駒取り・王手・反則の通知

基本的には自分の駒の配置しか情報を得られませんが、それ以外に得ることができる情報として駒取り・王手・反則があります。

駒取り

相手の駒がいるマスに自分の駒を進めたら、取った駒が自動的に駒台に送られてきます。

逆に取られた場合は自分の駒が突然盤上から消えることになります。この場合は何の駒で取られたかは分かりません。

王手

王手に関しては、王手が掛かったら双方に王手を掛けた/掛けられたことのみが知らされます。どの駒でどんな王手が掛かったか、また玉がどこにいるかは通知されません。

反則

反則(具体的には後述)を犯してしまった場合は、双方に反則をしたことが知らされます。反則理由は双方とも通知されません。局面を元に戻して指し直しとなります。クエストの場合、一局で反則は9回までできます。

 

蛇足ですが、手番も通知されます。

 

反則の種類

ついたて将棋でも、本将棋における"非合法"な手は許されていません。そのため、そのような手を試みた場合は反則となります。これだけでは抽象的なので以下に具体例をお示しします。クエストの設定上、二手指し/行き所のない駒/二歩/そもそも駒が動けないところに進める、というものは指せない(はず)なので省きます。

王手関連

王手が掛かっているのに回避できていない場合や、自ら王手が掛かるように駒を動かした場合があります(玉が相手の駒の利きに動く場合or相手の遠駒を遮る駒を動かして王手を誘発してしまう場合)。

駒打ち反則

相手の駒の上に重ねて自分の駒を打ってしまったとき。

通過反則

飛車・角・香が相手の駒を飛び越えて動いたとき。

打ち歩詰

レアケース。私は記憶の限り一回だけ遭遇したことがあります。

連続王手の千日手

レアケース。

 

終局

終局の条件は以下の通りです。通常の詰みと投了に加えて、反則数超過と引き分けがあります。

詰み

本将棋と同様、玉が完全に詰んだら終局です。本将棋と異なる点としては、本将棋的には容易な3手詰などであっても、あるいは、詰将棋的に無駄合であっても、攻め手が正しく1手詰みまで詰ますのは難しいという事があります。

基本的には、詰まされる局面でも最後まで指すことをお勧めします。逆に詰ます側としても完全に詰ますまで油断禁物です。

本将棋では完全に詰まされるまで指すのは稀ですが、ついたて将棋ではむしろ最後の一手まで指すのが普通です。

反則超過

将棋クエストの場合、10回目の反則を犯してしまったら負けです。本将棋的に局面がどれだけ優勢であっても、反則数が超過してしまえば負けとなります。

規定手数に達する

将棋クエストでは、150手を超えたら引き分けとなります。

投了

もちろん投了することもできます。

 

エストの本将棋ではトライルール・千日手が存在しますが、ついたてクエストではこれらは採用されていません。

【ついたて将棋】当ブログの記事について

 

当ブログの記事の分類

当ブログの記事は下記の分類で書いています。

全般

自己紹介・ついたて将棋のルールなどです。

戦法

序盤の戦法についての記事です。

手筋

ついたて将棋特有の手筋についての記事です。

思考

戦法や手筋とも異なる漠然としたテーマについて扱います。

雑談

コラム的記事です。

【ついたて将棋】記事の対象・内容・注意事項について

 

記事の対象

ついたて将棋の初心者から上級者までを対象として書いていく予定です。ついたて将棋を満足に指すのに必要な本将棋の棋力は恐らくアマ初段くらいだと思うので、その前提で記事を書きます(本将棋的に容易なことの説明は省きます)。

なお、棋譜は7六歩のように漢字を混ぜるのではなく、76歩のように数字で書きます。また後手視点の局面を用いた解説であっても本来の符号で書きます。例えば下図では視点側の棋譜として34歩、33角、15角(反則)、24歩というふうに記述します。

内容

内容については戦法レビュー、手筋紹介、ついたての考え方、棋譜紹介を予定しています。戦法レビューについては私の採用が多いものの精度はそこそこ高いですがその他については当たり障りのないことしか書けません。予めお詫び申し上げます。

 

注意事項

ついたて将棋は運要素があります。そのため、盤面把握、形勢判断などは実際の局面と異なる場合があります。善悪判断や指し手の選択などについてもあくまで期待値的なものです。記事のなかで"期待値が高い"・"可能性が高い"といった表現を省略していても上記のような事柄を含んでいることをご承知おきください。